ほんのりと怖い話。

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ビョウイン

小学4年生の夏休み。私は肺炎で丸3週間、出来たばかりで病床数もさほど多くない病院に入院してました。その時の話。

入院患者のほとんどは老人、それにおじさん、おばさん世代の人ばかりで、子供は私と私より2個下の男の子しかいませんでした。

入院患者の中に私と同い年の子がいるというおじさんがいて、休憩所で何かと話しかけられたり、
お菓子をもらったりと可愛がってもらってました。

夜、私はいつもはぐっすりと寝付いてしまうのですが、その夜に限ってはなかなか寝付けず、
夜中の3時頃にトイレに行くことにしました。
集中治療室の前を通ると、電気がついていて、何かバタバタしてる様子。
それには特に気を止めずお手洗いを済ませて外に出ると廊下で髪がボサボサでヨロヨロと歩いているおじさんを発見。
子供心に「大丈夫?」と思ったんだけど、とりあえず「こんばんは」
と声をかけると「こんばんは。夜更かしせんとはよ寝ぇや~」との返事。
その夜はそのまま部屋に戻って大人しく寝ました。

次の朝、目が覚めてトイレに行くと、集中治療室の前で泣いている人がいる。
どうやら誰かが亡くなったらしい。私と同い年と思しき男の子がお母さんに抱きついて泣いていた。
なんとなく いやな予感。
後で、看護婦さんに聞いてみると、昨日の夜、廊下であいさつしたおじさんの容態が急変して今朝、亡くなられたらしい。
「え?昨日の夜、おじちゃんと廊下で会ったで」というと看護婦さんは「それはありえない…でも、あの患者さん○○ちゃん(私)を可愛がってたからねぇ」と切ない表情で一言。

今にして思えば、おじちゃんが私に挨拶に来はったのかなぁ。


その入院中、偶然に父の古い友達のKさんが気管支喘息で入院してました。
父より2つ上のKさんは、病気で顔色こそ悪かったけれど、若い頃は無茶苦茶美人だったんだろうなぁというおばさんでした。

とても綺麗で優しいおばさんだったけれども、両親が言うには一生懸命頑張っているのに幸の薄い女性で、
結婚したけど旦那さんはとても悪い人で、Kさんを殴ったり子供が出来ても家にお金を全然いれずにギャンブルや酒や女に入り浸って、挙句の果てには他の女と家を出てしまって、中学生の男の子を女で1人で育てているところを病気にかかってしまったそうです。

私はKおばさんが好きで、毎日夕ご飯を食べた後、夕涼みに病院の屋上(当時は自殺防止なんて考えはなく、誰でも入り放題だった)にあがってKさんとその日の出来事を話したり、お見舞いでもらったお菓子や果物を一緒に食べたりして和んでました。
時には私の見舞いに来てた母や妹も一緒に楽しく過ごしたり。

そんなこんなで10日ばかり過ごしてたのですが、Kさんは私より先に退院していかれました。
遊んでくれる人が減って寂しいなぁと思いましたが、元気になられたのは良いことです。

Kさんが退院した後も、私は夕ご飯の後、いつも屋上に出て、夕焼けを眺めたり、同じように屋上に出てるおじいちゃんおばあちゃんに話しかけたりして、寝る前のひと時をすごしてました。

で、私が退院する3日ほど前。
夕ご飯の後、仲のいい看護婦さんとナースステーションで遊んでいたので、私が屋上に出た時はもう真っ暗でした。おじいちゃんおばあちゃんももう部屋に帰ったようです。

そんな中に何故かKさんがいました。
「Kおばちゃん~、どないしたん?退院したんちゃうん?」と駆け寄ると、おばちゃんは寂しそうな笑顔で、
「何もないけど、アナタがどないしてるかなぁと思って見にきたんよ」と。
「私、もうすぐ退院やで。2学期からは新しい学校やねん(入院中に実家が引っ越したんです)」と話すと
「よかったねぇ。ちゃんといい子にしておいでや。お父さんとお母さんにもよろしくね」
「うん」
という何という事もないない会話を交わして別れました。

Kさんと笑顔で別れた、その次の日。
毎日見舞いに来てくれる母親に、
「昨日な、Kおばちゃんが来てくれはったで」
と、話すと母親が「え?」と青ざめました。
私が「どないしたん?」と聞いても、「いや、何もないよ」
とごまかしてましたが…後年、私が高校生になった頃に聞くと…
Kおばちゃんは、退院後すぐ喘息の発作を起こして、そのままお亡くなりになったそうです…
だから、私が会ったおばちゃんは、幽霊だったんじゃないかと。

当時の私としては、全然怖くなかったんだけど。
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  1. 2005/07/13(水) 15:55:07|
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